4.0ジョーはトラウマを負っています。そのフラッシュバックが、いつの何であるか、明確に描写されませんが、子供のころ体験した親からの虐待だということは、なんとなく解ります。そのカットシーンが効果的なので、ジョーの暗さと身を置く世界の闇が、すんなりと伝わってきました。女性監督ですが、こけおどしでない冷徹さがあります。なんて言うか、地獄を知っているような気配値があります。 挿入される心象風景や点景は相当にスタイリッシュですが、人間社会の病んだ側面をとらえています。登場人物も世界も箱庭的ですが、狭さを感じさせないペーソスがありました。 もっとも特徴的な演技指導が感じられたのはジョーの歩くスピードです。…