(本書のほか、スティーヴンソン、ヘレン・ユースティス、ヘレン・マクロイ、ロバート・ブロックの長編小説のアイディアに触れています。) 1963年、『最後の一撃』(1958年)以来のエラリイ・クイーンの五年ぶりの長編ミステリが出版された。しかし、それはマンフレッド・B・リーの書いた作品ではなかった。 『盤面の敵』[i]以降の数作が代作であることは、いつ頃知ったのだったか。フランシス・M・ネヴィンズ・ジュニアの『エラリイ・クイーンの世界』[ii]が翻訳出版されたのは1980年(原書は1974年刊)だが、同書では、まだ代作のことには触れられていなかった。『ミステリ・マガジン』の1979年の座談会では、…