1980年代初期にロックから洋楽を聴き始めた筆者がヒップ・ホップに対して持っている感情は「敗北感」である。 ロックを聴き始めた頃は、英国のニューロマンティックや米国のLAメタル(グラム・メタル)から始まり、色んなジャンルのロックを節操なく聴き漁っていたのだが、RUN-DMC[ラン・ディーエムシー]、LL Cool J [エルエル・クール・ジェイ]、BEASTIE BOYS [ビースティ・ボーイズ]といったヒップ・ホップ系アーティストのミュージック・ビデオを見たときに凄まじい衝撃を受けたことを鮮明に記憶している。 初めてヒップ・ホップを聴いた筆者は「なんだかよく分からないが、自分がそれまでに聴い…