特集『第57回大会報告特集/歴史認識のポリティクス(地域・国家・市場)Ⅱ』 ◆いま・ここを知るため史学史を顧みる(小田中直樹*1) (内容紹介) 以前、筆者が『歴史学のトリセツ』(2022年、ちくまプリマ―新書)で史学史について論じた内容が改めて論じられている。「近代史学の父」としてドイツの歴史学者ランケ*2を紹介。 彼の特徴として「一国中心主義」「専門家主義」「文書中心主義」を指摘。 それらに対する批判としてそれぞれ「一国史に留まらないグローバル・ヒストリー(ウォーラーステイン*3の『世界システム論』など)」「公共史(パブリック・ヒストリー=非研究者と研究者の意見交流*4)」「文書に寄らない…