「少年と翼」 【エンジン機(Uコン)】モノ・コト編⑮ 正式名称は「コントロール・ライン」といい、現在も熱心な愛好家たちによって全国大会が毎年開催されている。一般的に流行っていたのは60年代から70年代にかけてで、地域の少年たちは「エンジン機」あるいは「Uコン」と呼んでいた。 日曜日。小学校の校庭に年上のお兄さんたちがやって来る。それぞれが鮮やかにカラーリングされた模型飛行機とバッテリーや燃料、種々の工具や部品の詰まった箱を抱えていた。少年たちはこれから始まる「航空ショー」に期待を膨らませ、飛行準備の過程を固唾を呑んで見守っていた。 混合燃料をタンクに満たし、プロペラを指で回してエンジン始動。小…