今月に来日し、デュオ・リサイタルやデュオ・コンチェルトなどの演奏を行う予定だったウィーン・フィルの木管コンビ、ダニエル・オッテンザマー(クラリネット)とソフィー・デルヴォー(ファゴット)。残念ながらコロナによる入国制限措置で来日が叶わず、一連の公演は中止になってしまった。私は、彩の国さいたま芸術劇場でのデュオ・リサイタル公演(6月26日)に行く予定だった。 デルヴォーが演奏するファゴットという楽器は、オーケストラのパートの中でもかなり地味で、あまり目立たない。だから、私も普段はファゴットの音に聴き入ることも注目することもほとんどないわけである。ところが、あるウィーン・フィルのコンサートで、その…