オリヴィエ・レイの統計の歴史(原題 Quand le monde s'est fait nombre)を読んだ。日本語のタイトルは統計の歴史となっているが、フランス語の原題は「世界が数になったら」という意味で、こちらの方が内容をよく表していると思う。というのも、統計に関してその成り立ち・変遷について書かれてはいるのだが、歴史という内容とはちょっと合わない気がするし、何が具体的にどういう経緯で発見・発明されて普及していったのかというようなことがほとんど書かれていなくて、何とも物足りなく感じたのだ。著者の経歴も、「数学者、哲学者、エッセイスト」となっていて、数学の専門分野は非線形偏微分方程式になっ…