ギター1本による、しかも歌わない、つまり歌詞のない、「故郷」。 「歌わない」って、「歌唱はしない」という意味です。もちろんのこと、彼はギター独奏という器楽で「歌って」いるのです。 開始から数秒で引き込まれ、顔の奥からぐっと熱いものがこみ上げてきます。普段のカイマナふぁみりー3人のギター演奏といえば、何といっても多く細かい圧倒的物量の音符がめくるめくスピードで迫ってくるところが魅力なんですが、このタイキさんの「故郷」は、それとはまた真逆の味わいです。 冒頭、前奏的に旋律のみがゆっくりと弾かれます。染み入る撥弦音の単音…、和声がなく対旋律がなくても、一音一音に込められた魂がそれらを繋げていき、けっ…