重松清の『カカシの夏休み』を読んだ。2000年に文藝春秋より刊行された、中編小説集だ。「カカシの夏休み」「ライオン先生」「未来」が収録されている。第123回(2000年上半期)直木三十五賞の候補作となった。「ライオン先生」は、竹中直人主演でドラマ化(2003年日本テレビ)されているらしい。カカシの夏休み:主人公は小学校の男性教師で37歳、児童たちからは陰で「カカシ」と呼ばれていた。見ているだけ、注意しない、と。教室では授業を妨害する児童にてこずる。子供の頃、ダムに沈んだ村に帰りたいと考え始める。また同級生の交通事故死を22年ぶりに連絡の取れた友達から連絡を受け、葬式で再会する。水不足でダムの貯…