標高を上げていくと、雲の中に入るころ、森は黄色く染まり始めた。 雨の可能性もあるが、この霞の景色は晴れでは出会えない。 さあ、森を抜けてカレンフェルトと呼ばれる霊仙山の特徴的な 地形に出るが、ここからが急とになることを、事前に下見をしている Tさんがみんなに伝える。 森を抜けると、具合が悪いことに雨が降り出しはじめ、風も強く吹き始めた。 森にいれば、木々が雨を防ぎ、風を和らげてくれる。 それに加えて、カルストの台地は粘土質で足元もぬかるみ、ぬれると滑る。 雲は風に吹かれ、めまぐるしく変化する。 変化の時は美しさも醸し出し、しんがりの私はしばし見とれる。 あっ、雲に一瞬窓が開いた。 ガラリ! 大…