第86話 遺跡周り3日目の 過酷さと楽しさ。 客席に斜め掛けしたハンモックで、呑気にイビキをかいていたジェイクをたたき起こした後、アンコールワットのすぐそばの小さな食堂で、僕はかなり早めの朝食を食べていた。 腕時計を見ると まだ6時にもなっていない。 よくよく考えたら、仕事とはいえ、ジェイクを早起きさせたのは僕である。 ( 少し悪かったな…。)と思った僕は、テーブルの向かいに見える、ちょっと離れた所に止まっているトゥクトゥクを指さし、店員に 「彼にコーヒーを一杯お願いします。」 と頼んだ。 店員さんは 気を使ったのか、僕が指さしたトゥクトゥクに、何故か注文を取りに行った。 そして、少し話した後…