昭和50年にクウォーツ時計が発売された。 クウォーツというのは、ぜんまいばねで時を刻むのではなく、水晶を振動させて時を刻むという仕組みである。 そのため、動力として電池が必要になるのではあるが、腕時計などでは、ぜんまい式に比べて精確で、非常に軽量であるため、腕にはめているという感覚がなく、評判になったのである。 われわれの時代、腕時計といえば「リューズのみえない自動巻き」というフレーズで有名な、やけに重量感のあるS社の自動巻き腕時計が主流であった。 この時計がいいのは、常にうでに重さを感じるため、腕時計をしているかしていないかがよく分かったこと、電池などの動力を必要としないため安上がりであるこ…