「若い桐(きり)の木が庭にある家には、嫁入り前の娘がいる」などと言われたのは、江戸時代の話のようです。きっと昔は、ナンパ目的に桐の若木のある家を探し回った男たちがいたことでしょう。 桐の木と言えばクロタマゾウムシ? 桐の材は、美しい上に軽くて寸法の狂いも少ないため、日本では箪笥などの家具の材料として重宝されたようです。このため農家に女の子が生まれると、桐の木を植え、その子が嫁入りする際に切り倒して材に変え、嫁入り道具の桐箪笥を作ったのだそうです。桐は成長が早い木なので、女の子が適齢期になる頃には、材木にできるほど立派な木になったのでしょう。庭の桐の木と娘の成長を、両親はどんな気持ちで眺めていた…