グレゴール・ザムザ

頭がいいという状況の基礎には、高い記憶力がある、 そして各々の生来の記憶力には、圧倒的な差があるのだ。 記憶力の弱い人に“勉強”は楽しめない。 しかしゲームの世界のほとんどは、記憶力を問わない、 という話。（写真：フォトAC） 【頭がいいとはどういうことか】 頭がいいというのはどういうことか――こういう「完璧な答えでなくてもいいこと」を訊くのに、生成ＡＩはとても便利です。マイクロソフトのＡＩ：Copilotはこんなふうに答えます。「頭がいい」とは、一般的に知識や理解力、問題解決能力、創造性、論理的思考力などが優れていることを指します。具体的には以下のような特徴が挙げられます：知識の豊富さ：幅広…

私が読んだ本には『断食芸人』という『変身』とはまた違う面白さのある物語も収録されているが、この記事では『変身』についてだけ紹介する。 まず、ざっくりとあらすじをお伝えする。 父母に代わって一家を養うために日々働いていた青年、グレゴール・ザムザは、ある朝目覚めると巨大な虫に変身していた。起きてこないグレゴールを心配した家族や勤務先の支配人が部屋を訪れ、一悶着あってグレゴールは自身の変身した姿を晒すのだが、その姿を見て母親は倒れ、支配人は声をあげて逃げ出す。妹だけが面倒を見てくれるが、グレゴールは次第に見た目だけでなく、あらゆる面で虫っぽくなっていく。 そして起承転結でいう「転」「結」は、グレゴー…

はじめに ある朝、目覚めると巨大な虫に変身していた―。この衝撃的な一文で始まるフランツ・カフカの『変身』は、20世紀を代表する文学作品の一つです。1915年に発表されたこの短編小説は、単なる奇想天外な物語ではありません。そこには、人間の存在、アイデンティティ、家族関係、社会構造など、深遠なテーマが織り込まれています。 『変身』は、現代社会に生きる私たちにも強く響く普遍的なメッセージを持っています。突然の変化に直面したとき、私たちはどのように対応するのか。家族や社会との関係はどのように変化するのか。そして、自分自身のアイデンティティをどのように保つのか。これらの問いは、100年以上前に書かれた作…

前回に引き続き、今回も七冠が王・神に関係する証拠について説明していく。 前回はこちらから 七冠「王」と「神」が元ネタ説(前編) - プリコネR備忘録 今回はラジラジとネネカについて説明する。 ・ラジラジ(ラジクマール・ラジニカーント) 本題に入る前に、まずラジラジとインドという国の関係性について触れておこう。 ラジラジの本名は「ラジクマール・ラジニカーント」という。 ラジクマール(もしくはラージクマール)*1はラジャ*2というインドの君主や最高位の貴族等に与えられる非統治王子の称号を表しており、ラジニカーントはインド人名である。 このことからラジラジはインド人であると考えられる。 他にもラジラ…

カフカ『変身』再び 令和6年8月10日（土）暑い （左）レクラム文庫 （右）新潮文庫 カフカの『変身』を買いました。19歳ぐらいに図書館の文学全集を借りて以来でカフカの作品に接します。 動機 最近、三島由紀夫の『豊穣の海』を読んでおり、新潮文庫っぽい文学が読みたくて仕方なかった。三島由紀夫はバタイユのことを高く評価していたと聞いていたから、酒井健の『バタイユ入門』（ちくま新書）を読み返していたとき、『文学と悪』のカフカ論の次のような一節にまたもや惹かれた。 バタイユに言わせれば、「彼〔＝カフカ〕が望んでいたことは〔父親の「行動の」圏内でー排除された者としてー生きることだった」。ただし、カフカは…

早稲田で所用を済ませた後、時間ができたのでこれからどうしようかと考えていたところ、近くに早稲田大学があることに思い当たり、行ってみることにした。大隈記念講堂の立派で美しい外観を束の間堪能した後、正門周辺にいくつかある立て看板の中にスタイリッシュな「カフカ」の文字を発見する。大学構内にある早稲田大学国際文学館で〈カフカ没後100年記念 ー「変身」するカフカ〉の企画展が現在開催されていて、このラッキーなめぐりあいに少しばかりの興奮を覚えたのであった。カフカの中編小説『変身』のあまりにも有名な冒頭の一文の日本語訳が４つだったか５つだったか忘れてしまったが、実物の本を一冊ずつ展示しているケースの上に吊…

タイのダン・ブラウンことプラープ著「The Miracle of Teddy Bear」:BL小説?って何？ミステリーじゃないのか？ググったらボーイズラブ小説だそうです。南東京読書会の課題本だったので恐る恐る読んでみました。戸惑いつつも、読書会のいいところは自分では選ばない本が読めるということだと思うので読むことにしました。驚きの世界が待っていました。主人公はぬいぐるみです。でもある日突然彼は人間になっていて、持ち主の青年との濃厚なラブシーン。おばさんは驚きです。このジャンル未経験ですのでもうどうしていいやら。さて、冷静になってあらすじを紹介します。クマのぬいぐるみタオフーが突然人間になりまし…

プラハは、その美しい街並みと豊かな文化遺産で知られる都市ですが、文学の分野でも多くの才能を輩出しています。 プラハ生まれの小説家たちは、その独特な視点と筆致で世界中の読者を魅了してきました。 本記事では、プラハ出身の著名な小説家たちの人生と作品について詳しく解説します。 それぞれの作家がどのような影響を受け、どのような作品を生み出してきたのかを見ていきましょう。 フランツ・カフカ カフカの生涯 代表作「変身」 カフカの影響と遺産 ミラン・クンデラ クンデラの生涯 代表作「存在の耐えられない軽さ」 クンデラの思想と影響 ボフミル・フラバル フラバルの生涯 代表作「厳重に監視された列車」 フラバル…

最近LimbusCompanyにはまっているので、調べたことや原作とのリンク・感想などを色々書き留めておきます。リリースして１年経ってるしディープな考察もたくさんあると思うけど、今のところは交流はせず攻略wiki見る程度なので、あくまで自分用のメモです。緻密な世界観、ビジュアル、キャラクター造型、物語、文学作品モチーフとか、久々にこんなドストライクで楽しい作品に出会ってびっくりしてるので、感想とかプレイ日記とかも書くかもしれません。量がやばくなってきたので、ゆくゆくは分離独立させるかも…※Project moon作品はリンバス以外未履修なので、あくまで原作を基準に書いています。 limbusc…

友人からでも、家族からでも、書評でも、課題図書でもない「オススメの本」を読んだことはありますか？ 現実と少し距離を置く“小説の世界”への入り口は、時に不意の方が新鮮で心踊りそう。東京・六本木の本屋「文喫 六本木」のブックディレクター・及川貴子さんにBRUDER読者をイメージした一冊を選んでもらいました。 「変身」／フランツ・カフカ 2024年6月で、カフカの没後100年となります。その不条理な世界の魅力は色褪せることなくますます人を惹きつけ、今なお新訳や関連書籍が出版され続けているカフカ作品。中でも最も有名な『変身』は、何度でも読みたい名著です。 ――ある朝、グレゴール・ザムザが落ち着かない夢…

展覧会『カフカ没後100年記念 「変身」するカフカ』を鑑賞しての備忘録早稲田大学国際文学館にて、2024年4月26日～9月16日。 没後100年を迎えたフランツ・カフカ(Franz Kafka)を代表作『変身(Die Verwandlung)』を切り口として紹介する企画。『変身』冒頭部の日本語訳を比較し、諸国（諸言語）で発行された『変身』の表紙（初版本では蟲(Ungeziefer)は描かれていない）を並べ、カフカの生涯について年表で解説する。また、日本でいかにカフカが受容されたかを解説し、日本人小説家の手掛けた変身譚や、カフカの変身に影響を受けた漫画原稿などを陳列する。展示される書籍についてほ…