ラワーズ博士は偉人の言葉を並べ、金融の罪を説く。 ニュートン「人間の狂気は計算できない。」という自然界のジレンマを示し、 ミンスキー「金融の世界では、安定が不安定を生む。安定するとリスクを冒そうとする。」 聖書、マタイの法則にまで触れ「富める者はますます富み、貧しい者はますます貧しくなる。」マルクスも資本論で同じことを書いている。 第4章はシステムについて解説を加える。 気候変動のダイナミズムを受け、人々の脳に潜む”成長”概念を改め、ニック・ハノーアーの言葉通り「機械脳から庭園脳へ」と変える必要性を示す。 こうした考え方を改めることを前提に第5章では、分配について設計している。成長による獲得か…