素晴らしい陽気の連休土曜日、こんな日には風に乗ってもっと遠くへ行きたくなるな、と思いながら池の端を歩いていると、本当に風に乗った桜の花びらが次々どこかへ行くところだ。 冬を耐え忍んだ北国の面々は、散りゆく桜の下で貸しボートに乗って何か外国語の歌を歌ったり、しきりに春模様の写真を撮ったりして総じて陽気である。 たいそう賑わっている公園の駐車場の片隅では、少年が何事か真剣に警備員さんに告げ、やや耳の遠いらしい警備員さんが近隣に朗々と響き渡る声を張り上げて迷子放送を依頼する無線をしているところだ。付近を歩く犬の散歩の人やら、野球の練習に来た人やら家族連れのグループなどはみんな心配顔で各々の手を止め足…