「サラムボー(上下)フローベール/中條屋進訳」 岩波文庫 序盤はもう投げ出そうかな、と思ったけど上巻中盤から波に乗り一気に読了。 幻想文学関連や象徴主義美術関連で散々タイトルを刷り込まれていたものの、読んでいなかった作品の一つ。あらすじを念頭に、古代文明を舞台にした絢爛豪華で無茶苦茶ド派手な恋愛ものか?(それこそオペラチックな)と思っていたら、割と情熱的かつ饒舌的に国家というか人間の興亡が展開。 純粋かつ凶暴なマトーや運命の女サラムボーより、その親父さんハミルカルの方が妙に印象に残る。あとハンノー。ハンノー強烈。私の貧弱な想像力では煌びやかに着飾ったジャバ・ザ・ハットが再生。 恋愛的な流れで見…