『志賀の里 2023歳時記 短歌集』 ーⅡー ■2023_08_01 入道雲に誘われて 《風に乗り 天を翔けたし びわの湖 されど酷暑に 悲鳴上げしや》 實久 ―かぜにのり てんをかけたし びわのうみ されどこくしょに ひめいあげしやー 遠く鈴鹿の峰をおおう入道雲をバックにびわ湖岸を走って来た。 生暖かい風に、したたる汗が混じりサイクリングどころではない。 アンダーシャツを水に濡らし、ヘルメットに保冷剤を仕込むが、 熱風は容赦せずに水分を体から奪っていく。 もちろん途中で引き返したが、入道雲をバックに涼し気な顔で写真におさまり、 せめてもの慰めであった。 老サイクリストには、まだ季節的に少し早…