コロナ禍になる前。私は名古屋の中京テレビ主催の落語会「ささしま落語」のプロデュースをしていた。 私のお勧めする最強の二つ目の落語家さんだけが出演する、夢の会だ。これは、野球で言えば「ジュニアオールスター戦」である。しかも、すでに一軍で大活躍している者もいる。 私が選んだのは、柳家わさび、桂三四郎、柳亭小痴楽、瀧川鯉八、昔昔亭A太郎、春風亭昇々、桂宮治、春風亭昇也、三遊亭わん丈(順不同)。 当時の二つ目で眩いばかりの輝きを放つメンバーである。私は、この人選に絶対的な自信を持っていた。なんのしがらみもなく、本当に今観たいメンバーだからだ。 第一回目の時。私はネタ帳の文字を柳家わさびさんに頼んだ。本…