私はフォークギターを始めて二十年になる。未だに中学生の初心者レベルである。完全にギターの才能はない。しかし、毎日、少しは弾くことにしている。 ギターを始めたきっかけは、豪徳寺にあった飲み屋「月が出た」のマスターに強制的に勧められ、その店の常連だった、ミュージシャンの中野督夫(元・センチメンタル・シティー・ロマンス、薬師丸ひろ子「セーラー服と機関銃」のエレキはこの方が弾いていた)さんにコードを教えてもらったからだ。 中野さんは、私の初心者用ギターを弾いて「いいかい、小林君!ギターが上手くなるには、まず、ギターの板に「おまえは、どこから来たんだい!よろしくな!」と話しかけるんだ。木は生きているから…