シェニール織とか黄肉のメロンとか 江國香織 角川春樹事務所 最近、読んだ本です。 都内の余裕のある中産階級の、三人の女性の話です。十代から付き合いはさかのぼり、現在は五十代です。三人の背景は似ていますが、個性、人との関わり方は、異なります。 お互いの性格の違いを戸惑いながらも受け入れ、人生の変化に臨む三人です。そのやり方に、千代子は、自分自身を重ね合わせてしまいます。レストランで、わいわいと話し、メニューを眺める時だけ静かになる。女同志のあるあるに、引き込まれてしまいます。お洒落な生活の小道具、機転の利いた会話。読んでいて、心地よいです。ずっと読んでいたいというこの気持ちは、かつての谷崎潤一郎…