(Les grandes Foires de Champagne)
12世紀頃から13世紀にかけて、フランス北東部、シャンパーニュ平原の諸都市で開かれた大規模な交易市。ヴェネツィア、ジェノヴァなどのイタリア商人の支配する地中海商業圏と、ハンザ同盟が主軸を成した北欧商業圏が、中間地点であるシャンパーニュで接触交易を行なった。イタリア商人のもたらす香辛料、染料、医薬品、宝石、絹織物など、軽くてかさばらない東方奢侈品と、北欧・イングランド・ロシアからもたらされた羊毛、毛皮、蝋、蜂蜜、ニシン、木材、小麦、卑金属類など重くてかさばる産業財・生活必需品が、一堂に取引された大国際市場であった。また、この地域を統治したシャンパーニュ伯も、対外戦争よりもこの市場を保護した方が利益になると考え、市場の自主性を保証して1154年にラニーの市税を免除するなど、この市場を訪問する商人の保護に尽力することと引き換えに、領内の経済を活性化して富を得ることになった。