ロックやポップスにおいては、ギターはほとんどの場面で主役を演じる看板楽器だが、ジャズの世界に目を転じると、その輝かしい座に君臨するのはトランペットやテナーサックスなどのホーンであり、ギターは場合によってはピアノ・ベース・ドラムスにも道を譲っているようだ―― 個人的なことを言うと、ジャズを聴き始めて間もなくそんな印象を持つとともに、以後かなり長い間、私はギターを擁するジャズのパフォーマンスを意識的に取り除けていた。 もっとも、それは上に挙げたギターの位置付けについての印象からではなく、今思うと、まだ少年時代だった当時、レコード、FM放送そしてカセットテープで主に聴くのは内外のロック・ポップスで、…