ジョルジュ・フランジュ(Georges Franju)による1961年作『殺人者にスポットライト(Pleins Feux sur l'Assassin)』について。 死期を迎えた古城に孤独に暮らす伯爵は、オルゴール付きの人形と共に鏡の裏に隠された部屋に入って死ぬ。鏡の裏の部屋の存在は誰にも知られておらず、伯爵の死体は誰にも見つからない。伯爵が死の前日にあったことは召使いが証言するが、伯爵が実際に死んだかどうかは誰にも確信されない。そして、その鏡はマジックミラーとなっており、城の中が見えるようになっている。伯爵は鏡の向こうの世界に行き、鏡越しに城に入ってきた人々を監視しているように感じられる。 …