ジョーゼフ・ジョルダーニアの人間はなぜ歌うのか?(原題 Why Do People Sing? Music in Human Evolution)を読んだ。タイトルに「歌う」とあるが、これは現代的な意味での「歌う」、あるいは我々がイメージしている「歌う」とは若干異なったものだ。もっと原始的な、叫びとか咆哮に近いようなものから発展してきた「歌う」をイメージすると当たらずと言えども遠からずだと思う。本書は「歌の起源」に関する本だが、まず最初にモノフォニー(独唱)・ポリフォニー(合唱)の話題からスタートする。モノフォニー・ポリフォニーが世界でどのように分布しているのかを解説し、その次にどちらの方がよ…