スター・ウォーズ・キッド

学校の備品のビデオカメラに残されていたテープの中には、ジェダイになりきってライトセーバーを華麗に操る少年の姿があった。
満足げな表情を見せる彼の唯一の誤算は、その2分間の映像を同級生が無断でデジタルファイルに変換し、インターネットの動画サイト「カザー（ KaZaA）」 にアップロードしてしまったことだった。
2003年春にアップされたその動画ファイルは、その後様々な加工が加えられていき、あるサーバーからだけでも100万回以上のダウンロードがされ、他にも多くのサーバーをダウンさせるほどの人気となった。ひいては40以上のバリエーションが存在しているともいう。
その後、あるブロガーの呼びかけで「彼をなぐさめるため」の募金運動が始まり、100カ国以上から400件以上集まった善意は4000ドルを超え、iPodやその周辺機器が送られることになったと報じられている。
また、スター・ウォーズ エピソード3 シスの復讐に彼を出演参加させようという署名は、16,000人以上を集めたという。
しかし、予期せぬ注目と嘲笑の的になってしまった少年は、後に通学できなくなるほどの状態になってしまい、学期の残りを精神病院で過ごすこととなった。

2003年7月、彼の両親が、画像をアップロードした4人の同級生の家族に対して、160,000ドルの損害賠償訴訟を起こしていることが明らかとなった。