それは自分のせいだろっ!とつっこみたくなる米国のクレイジーな民事訴訟を表彰します。ステラばあさんが自分の不注意でマクドナルドの熱いコーヒーを膝にこぼしてやけどし、その「不当に危険な」商品を販売したマクドナルドを訴えて大金をせしめて以来、アメリカでは弁護士たちの入れ知恵によって馬鹿げた民事訴訟の件数が激増し、訴訟によって一攫千金を狙う風潮ができあがってしまった。とにかく、自分の気に入らないことの関係者はみな訴えてしまえ、というわけだ。
ランディ・カッシンガム(Cassingham,Randy)は、これら訴訟の原点であるステラにちなんで「ステラ賞」を設立、その候補をウェブ上で募った。集まった中には「都市伝説」にすぎないものも多く、その中で実際に裁判記録があるものを選んで表彰したのが「本当のステラ賞(The True Stella Awards)」。
鳥につつかれた人が国を訴える、橋から飛び降りて死んだ少女の母が橋を訴える、宝くじに当たった人が宝くじ売り場を訴える、犯罪多発地域の一住民が電話会社を訴える、などなど、突拍子もない理由で突拍子もない相手を訴えた裁判の数々。
訴えてやる!大賞―本当にあった仰天裁判73 (ハヤカワ文庫NF)