獅子文六の「ス・フ」ネタ みんな大好き獅子文六。 獅子文六がユーモア作家としてブレイクした途端に、世の中は戦争モードになりました。なので、初期の作品中に「ス・フ」=ステープル・ファイバーがたびたび登場するんです。しかも“ここが、笑うポイントですよ!”とばかりに出てくるので、例をご紹介しますね。 「ス・フ」と純綿の買い占め 『今年の春外套』(昭13『獅子文六全集集11巻』朝日新聞社)は、「ス・フ」にふりまわされる夫婦の話。なんならス・フが主役といってもいい作品です。 日中戦争がはじまり、国策で布に「ス・フ」が混用されるようになると、妻はあわてて「純綿」を買い占めます。それを見た夫は偉そうに説教を…