「量子もつれ」は今年のノーベル物理学賞の受賞テーマでもあり、最近にわかに耳にするようになった。先日、東京大学のサイトに「スピンと軌道の量子もつれの巨視的効果の発見と、その制御に成功」との記事が出たので読んでいたら、「量子もつれ」とはどういうものか分かったような気がしたのでブログに書き留めておく。1.氷の結晶内の化学結合の古典力学的理解 上図は氷の結晶構造を示す。氷は正四面体構造で、酸素原子を四面体の中心に置き、隣り合った4つの水分子の中の酸素原子を四面体の頂点に置く構造となっている。酸素原子同士の結合は、水素原子を介して「共有結合」と「水素結合」にて繋がっている。ここで共有結合の古典的イメージ…