朝6時にすっと目覚めて心地いい。昨日に引き続きの晴天をベランダから確認していそいそと洗濯機を回す。 友人の結婚式に向かう同居人を玄関で見送って読書にふける。真昼の陽気で部屋の隅まであたたかく、汗が滲むほど。網戸から吹き込むささやかな風を受けながらベッドに転がって薄い文庫をめくる日曜は、限りなく理想に近い。昼寝を挟みつつ『人間失格』を読み終えて17時。太宰治の文体は時代が移ろっても古びることなく読みやすいなと改めて。 昨日手に入れた黒のボトムにしばらく前に買ったグレーのブルゾンを合わせて外へ。水に溶かした墨のように少しずつ夜が染み渡る上野公園を進む。花見客はめいめいのブルーシートの上でまだ名残惜…