聖地と呼ばれる所は世界中いたる所にあるが共通しているのは、自然環境に恵まれ、そこに佇むことによって、より多くの人の気が晴れ、心地が良くなることである。それは、自然と共に生きる人間の心情である。それを信仰と呼ぶか、生きがいと呼ぶか、娯楽と呼ぶか、それぞれの主観によるだろうが、あえて観念の世界に押し込んでしまうのではなく、ありのままを認め、自然と共に生きる人間の生きざまを、もう一度再認識することが必要なのではないだろうか……。 そう思いながら、熱帯の仏教国スリランカの、標高2453メートルもある聖地スリパダ(仏足山)に登ってみようと、宗教戦争の1種ともいえる湾岸戦争が始まった後の1991年2月7日…