英国の法人類学者・解剖学者、スー・ブラック博士の回顧録 『死体解剖有資格者』(草思社)読了。 原題は ALL THAT REMAINS だが、 日本語読者の好奇心をそそる若干いかがわしい邦題となっている(そこがnice)。 終始ウィットとユーモアに満ちた筆致の大著。 死体解剖有資格者: 法人類学者が見た生と死との距離 作者:スー・ブラック 草思社 Amazon 法人類学は、個人の死体を通じてその人の生前のストーリーを復元させることで、人間の生にも死にもかかわりを持つ学問である。本書は、法人類学と同様に、分かちがたいほど密接につながった同じ連続体の二つの異なる部分、すなわち人間の生と死がテーマに…