私は、予備校時代から寺山修司の愛読者だった。 そこで、今回は、「寺山修司名言集」から、いくつか紹介する。 ①「自叙伝などは、何べんでも書き直し、消し直しができるし、 過去の体験なども再生を限りなく繰り返すことができる。 できないのは、次第に輪郭を失ってゆく、私そのものの規定である。」 寺山は、エッセイや俳句や短歌で繰り返し自叙伝を書き綴っている。 そこには、作り話が数多く混じっていて、自分の正体を見せながら 隠している。言ってみれば、確信犯の法螺吹き。 ②「ふりむくな ふりむくな うしろには夢がない」 これは、競馬エッセイの一行。寺山は、 ひたすら走る競馬の疾走感にロマンを感じていた。 これは…