過去は不変で確かである セネカ はじめに――時を振り返るということ 人は誰しも、過去を持っている。でも、その過去にじっくりと向き合う時間は、案外少ないのかもしれない。 忙しさにかまけて、思い出は心の奥にしまい込まれていく。けれどある日ふと、胸の奥から小さな声が聞こえる。「あの頃、お前は何をしていた?」と。 これは、ひとりの人間が自分の歩いてきた道を、ゆっくりと振り返る記録である。 小学校時代の無邪気な日々。中学・高校で出会った遊びと仲間。浪人時代の孤独、大学時代の恋と自由。社会人になってからの葛藤、堕落、そして再起。笑ってしまうようなこともあれば、少しだけ胸が痛むこともある。でもどの瞬間も、確…