これがオーベーの現実である。 妻の職場で、えらいひとが出演するビデオを作ることになった。 顔色をよく見せたり汗をおさえたりするための簡単なメーク道具を用意し、撮影時にご本人が希望すれば使うことになっていたが、メークをほどこす担当者を決めておく必要があった。 担当部署のアメリカ人男性が、ローカルスタッフ(欧州人女性)に言った。 「ボクはこれできないから、君が担当ね」 そう言われたローカルスタッフSさんが即座に切り返した。 「それはセクシストなやり方だと思います」 メークの仕事は女性がやるのが当然というジェンダーによる決めつけへの反発。 いま多くの先進国の職場では、性差別的な言動を拒否する動きが、…