都市そのものが文化を編み始めた(イメージ) プロローグ:文化は、いつから「作品」ではなく「空間」になったのか 1970年代から80年代への転換点で、日本の文化は明らかに変質した。それは新しいジャンルが生まれた、という単純な話ではない。 もっと決定的だったのは、文化が「何を語るか」ではなく、「どこで、どう配置されるか」へと重心を移したことだ。 第9回で見てきたように、音楽は「思想」や「主張」から距離を取りはじめた。意味は前面に出ることをやめ、軽やかに、背景へと退いた。 すると次に起こるのは必然だった。意味が薄まった文化は、単体では成立しなくなる。代わりに求められたのは、それらをまとめあげる「場」…