セルギー神父 トルストイ原作の映画『セルギー神父』(1978)は、イーゴリ・タランキン監督による作品で、セルゲイ・ボンダルチュクが主演した、実に、19世紀ロシア社会のロシア正教という一種異端のキリスト教世界と現世のかかわりを、淡々と描く傑作であった。 セルゲイ・ボンダルチュク生誕100年周年記念上映で、あの大作『戦争と平和』の監督であり、もちろん、メインは『戦争と平和』4部作の一挙上映だが、ボンダルチュク出演の『セルギー神父』は小品だが、ロシアの田舎地方での住民による、神の存在に関する会話から始まり、キャメラは次に話す人物を映さず、少しづづキャメラが移動しながら話す人物をとらえる手法は、巧みに…