金の卵 連続ブログ小説 №45 皆で東京音頭を手拍子で歌っている時も、由美の姿が見えないのが気に成っていた。 「清三元気が無いな、どうした」と藤田が大きな声を掛けた。 「少し酔ったみたいです」と呂律が回らなくなってきたのを自分で感じた。 「清三何が可笑しい、もっと飲め」と左手に徳利右手に杯を持って来て渡し酌をした。 杯を一気に飲み干した清三は元気になり、笑顔で酌をして皆のご機嫌を伺った。 誰が歌い出したのか、農兵節を手拍子と食器を箸で叩きながら何回も歌った。 富士の白雪ノーエ 富士の白雪ノーエ……富士のサイサイ白雪朝日で解ける この歌は宴会のお開きの前に何故か歌うのである。 宴会も終わり解散す…