管楽器を演奏する際に舌を使って空気の流れを制し、音の区切りや立ち上がりを明瞭とする奏法のこと。管楽器奏者に求められる基礎的技術の一つ。*1
なお、上記の四種類を、全ての管楽器で行っているわけではない。必要とされるタンギングは楽器によって異なる事もある。クラリネットなどではダブルタンギング、トリプルタンギングは用いない。
タンギングは、無理な力の入らない自然な発音により、きれいな音を出すことが大切である。タンギングの明瞭さを聞き比べれば、奏者の腕前も把握できる。音の頭に力を入れて強奏すればアクセントがついたり、破裂音のようになってしまうこともある。
この原因は、奏者の未熟さの他、タンギング=舌突き、との和訳が存在するために奏法に対する誤ったイメージがあることも指摘できる。
実際には、強いアクセントが必要であるときを除き、「突く」から想起されるような強い力は不要である。より正確には、ただ歯の裏に触れている舌を離す、喉側に引く、というようなイメージを持つと良い。舌抜き。舌引き、といったニュアンスに近い。
また、軽やかな音にしたり、重々しい音にするのもタンギングと喉、息の制御で作り出す。楽器の種類にもよるが、濁音系のタンギング(du-du-du)にすると重々しい音を作り出すこともできる。
朗読などで口調で話し手の感情を表現できるように、管楽器ではタンギングによって、基本的な表現を行うことができる。どのようなタンギングをするとどのような表現になるか、客観的に聞き取りつつの試行錯誤と修練が必要な技術であろう。
なお、上記すべて、発音という言葉を遣っているが、実際に楽器を吹くときは声には出さず、喉や口の形がその発音と同じになる、ということである。
*1:ちなみに日本の篠笛は指づかいで音を分け、舌は使わない。
リコーダーの学習です。「トゥートゥートゥー」とタンギングに気をつけ、指の動きを確かめながら練習しました。先生のアドバイスをよく聞き、上手に音を出すことができました。