食塩電解は食塩水を電解して塩素,水酸化ナトリウム(苛性ソーダ),水素を得る工業電解プロセスであり,全反応式は以下で表される。 2 NaCl + 2 H2O → Cl2 + H2 + 2 NaOH 現在,国内で行われているイオン交換膜法では Na+ の選択透過性のある密隔膜(イオン交換膜)を隔膜として利用し,アノードには寸法安定性電極,カソードにはニッケル系の電極が用いられ,理論分解電圧は 2.3 V,実際のセル電圧は 3.0 ~ 5.0 V である。 電解槽のセル電圧を下げるためには,電極反応や電解槽の内部抵抗などが原因のセル電圧の上昇を小さくしなければならない。 食塩電解の電極反応はターフェ…