「リコールを扱った作品」の第二弾は、志摩峻『ザ・リコール』(ダイヤモンド社、2006年)です。たとえ欠陥があることがわかっていたとしても、リコール隠しを押し進めようとする自動車メーカーを軸に、大手損害保険会社、甘い汁を吸おうとする暴力団などの動きが描かれています。第3回ダイヤモンド経済小説大賞受賞作。 [おもしろさ] 暴力団も甘い汁を吸うために参入してくる! 本書では、リコールをめぐる問題を生産者(自動車メーカー)と消費者(ユーザー)の関係のみならず、自動車メーカーにPL保険(製造物賠償責任保険)や「リコール費用保険」などを販売している損害保険会社、暴力団に至るまで視野を広げ、それぞれがどのよ…