「お仕事いろいろ」というテーマで紹介される作品の第四弾は、松樹剛史『スポーツドクター』(集英社文庫、2005年)。「スポーツが人間にもたらす財産は、元気・感動・仲間・成長だ。これにより人は自分らしく生きることができる。これがスポーツの功だ!」(解説者・辻秀一)。しかし、スポーツには、「罪の部分」「ネガティブな要素」がつきまとうことも否定できません。例えば、ケガ、指導者や親の価値観の押し付け、勝利至上主義、セクハラなどを挙げることができるでしょう。この作品は、そうしたスポーツの「ネガティブな部分」に焦点を合わせ、当事者(アスリート)の苦悩・葛藤と、それらに立ち向かうスポーツドクターの姿勢・考え方…