「ハイブリッド型の店を扱った作品」の第三弾は、竹内真『だがしょ屋 ペーパーバック物語』(だいわ文庫、2017年)。舞台は「だがしょ屋」。平台には駄菓子、壁の棚には古い文庫本が並べられています。店主の世原ヤマトと、脚本家志望の塚田祥介や女優をめざす鈴(祥介の恋人・劇団の研修生)といった常連客との交流、ちょっとした事件やトラブルが、祥介の目線で描写されています。 おもしろさ] 顧客のニーズに合致した本を推薦できるチカラ 本書のおもしろさは二点。一つ目は、店主であるヤマトさんの本に関する知識が半端ではないこと。それゆえ、客のニーズに合わせて、本の内容を的確に紹介し、さまざまなアドバイスができるのです…