「食堂を扱った作品」の第三弾は、「子ども食堂」の発足につながる試みを描いた伽古屋圭市『かすがい食堂』(小学館文庫、2021年)。東京・下町の「駄菓子屋かすがい」を受け継いだ春日井楓子は、拒食症をはじめ、さまざまなトラブルを抱える子どもたちのために店で食事を提供。一週間に二回、にぎやかな食卓が居場所を失った子どもたちを勇気づけることに。子どもたちと向き合い、居場所を求めてさまよっている子どもたちに手を差し伸べる「かすがい食堂」という、知に足のついた仕事が好きになっていく楓子の変化にも注目! 「かすがい食堂」シリーズの第1作目。 [おもしろさ] 食材の買い物や料理に子どもを巻き込んでいく お節介の…