「お仕事いろいろ」というテーマで紹介される作品の第五弾は、黒野伸一『かもめ幼稚園』(MF文庫、2008年)。今年、短大を卒業し、かもめ幼稚園の先生(教諭)になったばかりの「わたし」(ちかこ)。特別の思い入れやモチベーションがあったわけでもありません。なんとなく、自分の能力に見合ったものを探していたら、偶然この職業に行き当たってしまったのが、正直なところ。生意気な園児たち、うるさいママさんグループ、「本当は幼稚園なんか大嫌い」と評されている園長、マイペースな先輩など、うんざりさせられる毎日。すでに限界に近づきつつあるようです。しかし徐々に、園児たちに愛着を感じ始めるという変化も。幼稚園の先生とい…