ナイジェリア出身の作家チヌア・アチェベが3月22日に亡くなった。彼の作品については、このアジア雑語林の346話でちょっと書いている。彼の訃報を新聞で知って、この作家は日本でどの程度の扱いになるのか気になって、インターネットで調べてみたら、想像をはるかに超えて多くヒットした。情報の多くは訃報だが、「ほぼ無視か」と思っていたので、かなり意外だった。数多くの文学賞を受けているが、ノーベル文学賞受賞者ではないアフリカ出身の作家にしては、扱いは大きいという印象だ。 新聞で訃報が伝えられたからといって、日本で有名な作家というわけではない。翻訳された作品はあるが、現在すぐに手に入るのは、河出書房新社の世界文…