今の自分の問題意識に近い内容の本だ。自分は、広くは技術(革新)が世の中に及ぼす影響や、技術が社会に受容されていく過程(最近はもっぱら経済成長との関連)に興味があるのだが、その中でも情報通信についての興味が中心だった。 // 本書は、情報通信だけというわけではなく、経済活動において労働の代替や補完となる技術について経済成長との関連で歴史的な視点で整理したものだ。まず本書を読むと、技術と経済の関係は、産業革命前と後では技術の経済への貢献が全く違うことがわかる。そしてイギリスにおいて始まった産業革命はなぜイギリスだったのか、他の大陸ヨーロッパではなかったのかなどが、先人によるこれまでの先行研究を丁寧…