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デルタ翼

(一般)
でるたよく

航空機の翼の平面形の分類で、前縁に大きい後退角がつき、後縁が機軸とほぼ直交していて、上から見て三角形をなしているもの。ギリシャ文字のΔに由来し、三角翼とも呼ばれる。

第二次大戦中のアレクサンダー・リピッシュ博士の研究を元に、戦後各国のジェット機の主翼の形態として広まった。

後退翼の利点はそのままに、以下のような長所を持つ。

  • 大きい前縁後退角を構造上無理なく(≒軽く)実現できる
  • 翼つけ根で翼弦長が長く、翼厚比を無理なく小さくでき、一方翼内の容積を稼げる(燃料や脚の収納に有利)
  • 翼面積を無理なく大きくでき低翼面荷重となり、高高度飛行や空中戦に有利
  • 音速を超える前後で空力中心の移動が少ない
  • 大迎角でもなかなか失速しない

超音速機の主翼の形態として注目され、ダッソー・ミラージュIII(無尾翼)、MiG-21(尾翼あり)などデルタ翼を採用して成功した機体は多い。

短所としては、アスペクト比が小さく揚抗比が比較的よくないことや、無尾翼機とする場合は高揚力装置を用いることができないこと等が挙げられる。

デルタ翼の欠点を解決するために以下のような改良がなされているが、これらの改良されたデルタ翼は今日の超音速機の標準となっている。

平面形を単純な三角形から改良したもの
ダブルデルタ翼(サーブJ35ドラケン)、オージー翼(コンコルド)、クランクドアロー翼(F-16XL)等
先翼を配したもの
コ・デルタ翼(サーブJ37ヴィゲン)、カナードつきデルタ翼(サーブJAS39グリペン、EF2000タイフーン、ダッソー・ラファール)等
尾翼を配するとともに平面形を改良したもの
切り落としデルタ翼/クリップトデルタ翼(ヴォートF-8クルーセイダー以降、戦闘機、攻撃機に多数)
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