僕が営業という仕事を25年も続けてこられたのは、普段の外回り営業や出張の際に、訪れた町々の名店でランチを食べられるからである。新しいお店や埋もれていた店を見つけたときの喜びは、契約を取れたときとなんら変わらない。営業という仕事を通じて、お気に入りの店を何軒も見つけては、利用してきた。断じて仕事をサボっていたのではない。新規でお店を見つけて、ランチを食べて、お気に入りの店にしていくことは、本業に活力をもたらせてくれた。つまり仕事の一部であった。面倒な案件や取扱い注意のクライアントを前に憂鬱な気分になっても、「あの街にいけばあのランチが食べられる」と思えばこそやり遂げることができたのだ。そういう経…