昨年末は、真珠湾攻撃から80年ということで、いろいろ特別番組もあったようだが、昔から12月8日を迎えると必ず放映される映画がある。『トラ・トラ・トラ!』(20世紀FOX社 1970年制作)だ。私もけっこう見た口だが、この映画には大きな疑問があった。 資本面からすると完全に米映画であるのに、やたら日本人が喜ぶ内容になっているのもふしぎなのだが、それ以上に不思議なのは、まるで真珠湾攻撃は、連合艦隊司令長官の山本五十六ひとりが決定し進めたかのように描かれていることだ。しかもとてもかっこよく! しかし現在一般には、真珠湾攻撃の決定過程はそのように理解されているようである。つまり、山本五十六が軍令部に対…