「イワンの馬鹿」の平和思想 (1) 春休み中の一日、肩の凝らない読み物を求めて「イワンの馬鹿」のページを繰りました。過去にも2度、3度と読んだことがあったのですが、トルストイがロシアの民話をまとめたものという程度の認識でした。内容に関しても似たような理解でした。すなわち働き者のイワンが、しくじってばかりの兄たちを助けてあげる話だと。馬鹿と言われてもいい、無骨な生き方でもいい、手足を使い、額に汗して働くことの尊さを教えてくれる民話であると。しかしそれはこの物語のほんの一面に過ぎないことを知りました。 (2) 結論から言えばこれは、戦争否定とカネ万能主義(資本主義)への警告であることは間違いないと…