もう3週間ほど前になるが*1、エドガー・ライトが10年間企画を温めていたという新作『ラストナイト・イン・ソーホー』"Last Night in Soho"('21)を観てきた。今まで冴えないギークや寡黙なドライバーを主人公に据えていたライトが、自らも敬愛する60年代カルチャーを背景に、2人の女性が体験する「悪夢」を描いたノワール映画だ。エドガー・ライト作品らしく、その作品には当然のように音楽が散りばめられていて、過去と未来を繋ぐ鍵にもなっている。しかしながら、懐古主義のよう作品で、彼が結末に選んだのは何とも現代的なテーマであった。結末は映画館で観ていただくとして、今回は純粋にレビューのみを送り…